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2025年5月27日に更新済み
2025年5月27日
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Back Market Japan
「修理する権利」とは、製品を自分で修理し長く使うことを可能にする権利です。再利用やリファービッシュ品の活用を通じて、電子ゴミを減らし、環境にもお財布にも優しい選択を広めていきましょう。
「修理する権利」とは、私たちが自分で購入したデバイスを自由に修理できるべきという権利のことを指しています。次々と発売される新しい商品に買い替えるのではなく、少しの故障や不具合など、まだ使える製品であれば修理を通じて長く大切に使うことで、環境にもお財布にも優しくすることができます。そのために修理することを身近にする、選択肢として選べるようにする、それが「修理する権利」です。
しかし現実は、そう簡単ではありません。多くの大手テック企業はこの考えに強く反対しています。なぜなら修理を独占できれば、デバイス故障に際する主導権をメーカー側で握ることができるため、消費者には修理を促すのではなく、圧倒的に利益率の高い新品販売に繋げることができるからです。「修理する権利」に関する運動は、メーカーに対し、消費者や第三者の修理業者に修理に必要な情報や部品やツールを開示してもらい、「修理」という選択肢を私たち消費者の手に取り戻すことを目指しています。
現在は様々なメーカーによって、修理に関する情報や部品、専用ツールへの入手を複雑にすることで、製品が壊れた際の修理を難しくしているケースがあります。純正部品以外を使えないようにブロックしたり、非純正パーツを使うと警告ポップアップを表示するといった対策を講じている企業もあります。 しかしその中には、純正品とサードパーティ製品の性能に違いがなく、「メーカーに利益があるかどうか」だけで弾かれているケースも少なくありません。
結果として、修理できずに新品を買わざるを得ない状況が多くの人にそれが見えない形で押しつけられています。つまり、私たちには実際のところ修理という選択肢に気づきづらい状況になっており、少しの故障でもすぐに新品に買い替えるということが当たり前になってしまっているのです
しかし世界の消費者は、この問題に対して声を上げ始めています。欧州では2023年、スマートフォンやタブレットに対して修理可能指数(修理しやすさのスコア表示)を求める法案が提出され、フランスでは既に実施されています。2025年は欧州で段階的に施行されてきた「修理する権利」の取り組みが、スマートフォン・タブレットのカテゴリーでさらに拡大する予定となっています。
具体的には、デバイスの部品の交換や修理が可能な設計が必須となること、これまでフランスで行われていた修理可能性スコアの販売時の表示がEU全体に拡大すること、修理・交換部品をメーカーが7年間提供し続けなくてはならないことなどがあります。欧州では「持続可能な消費」を推進しており、修理可能性の向上は電子ゴミ削減や環境負荷低減にもつながる重要な要素とされています。
では日本ではどうでしょうか。スマートフォンやパソコンが壊れたとき、「修理する」という選択肢より「新品に買い替える」という行動様式が当たり前となりつつあります。しかしこれには、法律や社会の仕組みが修理を難しくしていることも一因としてあげられます。
例えば欧米では修理マニュアルや交換用部品の提供が法律で義務づけられている国もありますが、日本ではそういったルールはなく、純正部品や情報の提供はすべてメーカー次第となるケースが多いため、一般の人やサードパーティの修理業者が修理に必要な情報を手に入れるのが困難となっています。
また日本固有の問題として、新品端末の販売方法に課題があります。通信キャリアや販売店などで行われている新品端末への過度な割引競争、いわゆる1円スマホについては、ここ数年の制度改正によって少なくなってきたように見えます。それでもまだ一部の最新モデルを中心に、残価設定型の分割払いにより、当初の1-2年間の支払いを非常に少なく抑えることが可能になっています。新品を手軽に手に入れることができるメリットはもちろんありますが、「修理を通じてながくモノを使う」ことを考えたときには、あまり好ましいモデルではないとも言えます。
では一体、私たちには何ができるでしょうか。
・古いデバイスも、バックアップ端末や動画・音楽プレイヤーとして再利用できます
・使わなくなったデバイスは、家族や必要としている人に譲ることもひとつの方法です
・もしデバイスが壊れたら、すぐに新品を購入するのではなく、まずは修理屋さんに相談しましょう
・ホコリや汚れの除去は、トラブル防止にもつながります
・古いデバイスは、そのまま家の中に眠らせずに売却することでお小遣いになります
・新品と比較して最大92%もCO2排出量の少ない、リファービッシュ品を選びましょう
一人ひとりの力によって、これらの習慣を「当たり前」にしていけば、まだ使える製品を長く大切に使う文化が自然と広まっていきます。これにより、環境にもお財布にもやさしい選択となり、「よりよい未来」に繋がっていきます。日本においても、もっと自由に・安心して暮らせる未来に向け、今こそ一歩を踏み出すときではないでしょうか。